ラマダンももうすぐ終わりです。
先日、五日間だけイエメンに行ってきました。
ラマダン中のサナア市内は夜昼逆転していて、午前一時過ぎまで車で道路は混み合っていました。
そんなラマダン中のイエメンタイムス、今日は9月17日(月)1086号の一面記事から。
●ラマダン中にパンの価格二倍に
政府は日常的に必要な食糧(小麦、小麦粉など)の価格を一定に保つよう指令を出しているが、ラマダンの終盤にかけて価格はうなぎ登り。例えば50キログラム入りの小麦粉の袋は3日前は4000リヤルだったが、現在は5000リヤルに達している。この結果、町中のパン屋では小売価格を倍にしたり、パンのサイズを小さくしたりせざるを得ない。政府は、物価安定のために経済公社を通じて公定価格3700 リヤルで販売しているが、全市域をカバーすることはできない。このため公社の販売所の前には連日長蛇の列ができている。ヤヒヤ・ムタワッキル産業貿易大臣はこの小麦価格の高上昇を「国際穀物取引所での小麦価格の高騰が原因」と説明しているが、ラマダンあけのイード(お祭り)を控えたこの時期に基礎食料品の価格が上昇することは、特に低所得者の生活に深刻な影響を及ぼす。とりわけ南部ではこの物価上昇に対する抗議の暴動が散発している。
→サナアではスーパーマーケットであふれるほどのものが売られており、イエメン人の中流階級でにぎわっていますが、そんなスーパーに入ることさえできない人も着実に増えているのです。これが政治的な不安定に結びつかないことを祈りたいと思います。
●ソマリア難民、アデン湾で不法運搬者の手によって死亡
UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)によれば、最近アデン湾の対岸のソマリア、エチオピアから不法入国をしようと不法運搬船に乗っていた難民のうち、少なくとも50人以上が運搬者の過酷な扱いのために命を失った。9月3日から14日までの間に、12隻の難民船の到着が確認されており、これらの船には925人のソマリア人、エチオピア人が乗っていた。現在アデン湾は悪天候の季節であり、到着できない船もある模様。
→ソマリアの政治情勢が安定しない限り、際限なくイエメンにソマリア人が流入してきます。彼らは難民キャンプに収容されればとりあえず食いつなぐことはできます。しかし、ただでさえ高いイエメンの失業率を、これらのソマリア人の流入はさらに押し上げることになります。物価上昇と失業率の高さ、貧困の悪循環にイエメン社会が徐々に巻き込まれていくようです。
(さとかん)
2007年10月10日水曜日
2007年10月9日火曜日
日本イエメン友好協会 講演会および総会のご案内
日時:10月17日 19:00~ (役員は18:30~)
場所:JICA広尾・地球広場 202セミナールーム
地下鉄日比谷線広尾下車 3分
講演:「最近のイエメン」 佐藤寛理事
イエメンから10月8日帰国されたばかりの最新情報の報告
総会:
議題: 新役員について
議題: 新役員について
H19・20年度の活動計画
H18・19年度の報告
その他:JICA広尾に入館の際は受付で入館バッジを受け取ってください。
以上
以上
2007年9月18日火曜日
Yemen Times 一面記事から(1082)
ラマダンも四日目に入りました。三日月が夜空に冴えわたっていますね。
今日は、2007年9月3日(月)(第1082号)から。
●「イエメンの政策決定の50%は政党によって操作されている」
→この日はあまり事件がなかったのか、一面全部がイエメン世論調査センター(Yemen Polling Center)による「イエメンでは政策決定にどんな要因が影響を与えているか」の調査結果が紹介されています。この調査はイエメンの「エリート」を対象として行われたもので、イエメンの政策決定に影響を与える要因として、①治安情報・諜報情報、②政党の利害、③外国の利益、④近親者の圧力、⑤選挙による圧力の五つがあげられています。
回答者の48.2%は、「政策決定は公共の利益を犠牲にして政党の利益によってなされている」と答え、これに「部族の影響力」31.4%、「近親者の利害」29.7%が続きます。また、「科学的な調査研究は政策決定に影響を与えていない」という意見は61.9パーセントに登っています。このほかに、政府高官の政策アドバイザーの影響力の強さを指摘する声も42.4%に登ります。
政府官僚や民間団体の調査や提言が政策に影響を与えることはほとんどない、というのは実感として納得できます。また、選挙、政党といった「市民社会」の仕組みもまだ限定的な影響しか及ぼせていないのも事実でしょう。しかしながら、例えば30年前(サレハ大統領が前職ガシュミ大統領の爆殺の跡を継いで大統領になったのは1978年)に比べれば、政策決定者は様々な要因を考慮に入れなければならなくなっており、限定的であれ庶民の声も無視できなくなっていることともまた事実です。 イエメンが部族民の存在も含めたユニークな「イエメン型民主主義」を育てていくのを応援したいと思います。(さとかん)
今日は、2007年9月3日(月)(第1082号)から。
●「イエメンの政策決定の50%は政党によって操作されている」
→この日はあまり事件がなかったのか、一面全部がイエメン世論調査センター(Yemen Polling Center)による「イエメンでは政策決定にどんな要因が影響を与えているか」の調査結果が紹介されています。この調査はイエメンの「エリート」を対象として行われたもので、イエメンの政策決定に影響を与える要因として、①治安情報・諜報情報、②政党の利害、③外国の利益、④近親者の圧力、⑤選挙による圧力の五つがあげられています。
回答者の48.2%は、「政策決定は公共の利益を犠牲にして政党の利益によってなされている」と答え、これに「部族の影響力」31.4%、「近親者の利害」29.7%が続きます。また、「科学的な調査研究は政策決定に影響を与えていない」という意見は61.9パーセントに登っています。このほかに、政府高官の政策アドバイザーの影響力の強さを指摘する声も42.4%に登ります。
政府官僚や民間団体の調査や提言が政策に影響を与えることはほとんどない、というのは実感として納得できます。また、選挙、政党といった「市民社会」の仕組みもまだ限定的な影響しか及ぼせていないのも事実でしょう。しかしながら、例えば30年前(サレハ大統領が前職ガシュミ大統領の爆殺の跡を継いで大統領になったのは1978年)に比べれば、政策決定者は様々な要因を考慮に入れなければならなくなっており、限定的であれ庶民の声も無視できなくなっていることともまた事実です。 イエメンが部族民の存在も含めたユニークな「イエメン型民主主義」を育てていくのを応援したいと思います。(さとかん)
2007年9月14日金曜日
フォトライブラリー(2)
この写真は、昨日の写真でぶら下がっていた羊の肉が切り取られ、焼けた石の上に乗っかって焼かれているところです。元々は、薪や炭などを敷き詰めてその上の石を熱し、その上に肉を並べたのです。しかし、現在はガスバーナーで下から燃やし、その上に石板を乗せて焼く形になっています。
ただし、焼き肉は庶民にとってはやはり高級品です。普段庶民は豆の煮込みで朝食を取り、昼にはせいぜい鶏肉か魚です。羊の肉はかなりの「ごちそう」なので、年に二回のイスラム教のお祭りと、結構式の場くらいでしかありつけない人も多いです。
1990年の南北統一以前はサナアにはハドラマウト焼き肉の店はありませんでした(ハドラマウトは旧南イエメンに属し、サナアは旧北イエメンの首都でした)。最近はハドラマウト出身者でサナアに住んでいる人も増え、外国人や金持ちのイエメン人も増えているので、羊肉を食べるハドラマウト焼き肉屋も増加中というわけです。(さとかん)
2007年9月13日木曜日
フォトライブラリー(1)
2007年9月11日火曜日
Yemen Times 一面記事から(1076)
少し日付がさかのぼりますが、8月13日・月(第1076号)の一面記事から
●「サレハ大統領、退役軍人の復職数増価:退役軍人は依然として懐疑的」
→1990年に南北イエメンは、一滴の血を流すこともなく平和裡に統合しました。しかしながらその後南北の指導者間の政治的緊張が高まり、1994年に旧南北両イエメン軍の衝突に端を発する内戦がありました。この内戦は最終的には旧南イエメン指導者が立てこもったアデンが陥落することによって終結しました(約2ヶ月で終息)。その後、旧南イエメンの軍人はほとんどが強制的に退役させられたのですが、そうした軍人の不満の高まりを受けて、サレハ大統領は「大統領令2007-65」で、380人の幹部(主として尉官、佐官レベル)の復帰を命じました。これは一連の軍人復帰の流れの中に位置づけられる第2弾で、すでに第1弾で913人が復帰しているそうです。この背景には旧南の軍人が「我々を冷遇し続けるなら、我々はアルカーイダに合流する」というような発言もあるようです。反政府の動きがアルカーイダなどを核として集結することを恐れるサレハ政権としては、予防的な意味もあるのでしょう。
●「マーリブの政府施設再度攻撃される:アルライミは依然逃亡中」
マーリブ州知事アレフ・アルズカは、「マーリブの発電所が8月9日木曜日の早朝、アルカーイダ信奉者によって、銃撃を受けた」と発表。
→7月2日のマーリブでのスペイン人観光客襲撃・殺人事件は、イエメン人にとっても非常に衝撃的でした。この犯行はイエメン人以外を含むアルカーイダ信奉者によって起こされたことは、これまでの「部族民による観光客誘拐」とは全く異質な次元で解釈されなければなりません。イエメン部族民による誘拐では、基本的に人質に危害を加えることはなく、単に政府に圧力をかける「人質」として外国人を利用するだけでしたが、アルカーイダによる襲撃は「外国人殺戮」それ自体が目的だからです。マーリブにアルカーイダ信奉者が増加することは、イエメンの数少ない外貨獲得産業である観光業界に対する打撃はもちろん、イエメン政府全体の安定性に大きな影響を与えます。このスペイン人襲撃事件の首謀者の一人と言われているカーセム・アルライミは、2006年2月にサナアの政治犯監獄から集団脱走した人の一人です。
(さとかん)
●「サレハ大統領、退役軍人の復職数増価:退役軍人は依然として懐疑的」
→1990年に南北イエメンは、一滴の血を流すこともなく平和裡に統合しました。しかしながらその後南北の指導者間の政治的緊張が高まり、1994年に旧南北両イエメン軍の衝突に端を発する内戦がありました。この内戦は最終的には旧南イエメン指導者が立てこもったアデンが陥落することによって終結しました(約2ヶ月で終息)。その後、旧南イエメンの軍人はほとんどが強制的に退役させられたのですが、そうした軍人の不満の高まりを受けて、サレハ大統領は「大統領令2007-65」で、380人の幹部(主として尉官、佐官レベル)の復帰を命じました。これは一連の軍人復帰の流れの中に位置づけられる第2弾で、すでに第1弾で913人が復帰しているそうです。この背景には旧南の軍人が「我々を冷遇し続けるなら、我々はアルカーイダに合流する」というような発言もあるようです。反政府の動きがアルカーイダなどを核として集結することを恐れるサレハ政権としては、予防的な意味もあるのでしょう。
●「マーリブの政府施設再度攻撃される:アルライミは依然逃亡中」
マーリブ州知事アレフ・アルズカは、「マーリブの発電所が8月9日木曜日の早朝、アルカーイダ信奉者によって、銃撃を受けた」と発表。
→7月2日のマーリブでのスペイン人観光客襲撃・殺人事件は、イエメン人にとっても非常に衝撃的でした。この犯行はイエメン人以外を含むアルカーイダ信奉者によって起こされたことは、これまでの「部族民による観光客誘拐」とは全く異質な次元で解釈されなければなりません。イエメン部族民による誘拐では、基本的に人質に危害を加えることはなく、単に政府に圧力をかける「人質」として外国人を利用するだけでしたが、アルカーイダによる襲撃は「外国人殺戮」それ自体が目的だからです。マーリブにアルカーイダ信奉者が増加することは、イエメンの数少ない外貨獲得産業である観光業界に対する打撃はもちろん、イエメン政府全体の安定性に大きな影響を与えます。このスペイン人襲撃事件の首謀者の一人と言われているカーセム・アルライミは、2006年2月にサナアの政治犯監獄から集団脱走した人の一人です。
(さとかん)
2007年9月10日月曜日
YemenTimes 一面記事から(1081)
今年もラマダン(断食月)が近づいています。9月13日からの予定です。
イエメンはもう、ラマダン準備モードです。
今日は8月30日(木)(第1081号)の記事から。
●「ラマダンに向けて交通警官の投入」
→ラマダン中は、夜昼が逆転し、特に深夜に人々が買い物や社交に出かけるので例年事故も多くなります。これに備えて今年は1500人の新規交通警官を投入して交差点の交通整理をするらしいです。私のよく知っているイエメン人の運転手は「交通警官が交通整理をしている交差点は、渋滞する」と言っていますが・・・。
●「車輌は二年で二倍に増加」
→そして、一面ではないですが興味深い記事が載っていました(5面)。サナア市交通局長のヤヒヤ・シュバイル大佐によれば、サナア市内のナンバープレート年間発給数は1990年から2005年の間は3.5万から4万台で推移していたが、2005年から2006年末にかけて急増し、現在8万5千台を超えているということです。しかし、交通警官の数(1343名)は増えていないので、労働時間が延びることになります。しかも、交通警官の給料は月々2万リヤル(約100ドル)。これを補うために二年前に当時のバジャマル首相が、「交通違反の反則金の30%をボーナスとして取って良い」というおふれを出したそうです(これは汚職ではありません。違反摘発のインセンティブです)。この結果、反則金の徴収額は数十万リヤルから四百万リヤルに跳ね上がったそうです。しかし、これも交通警官一人あたりにすると、月に1000リヤルにしかならない計算。
当然、「賄賂」も発生します。交通警官の言い分は「例えばダッバーブ(乗り合いミニバス)に反則切符を切ると、ドライバーは1500リヤル払わなければならない。しかし、彼らはそんな金を払えないのでかわいそうだ。だから、われわれは2-300リヤルで、無罪放免してあげる」。
サナアの交通問題、なかなか奥が深いです。
また、興味深い統計も乗っています。
◇サナアの車両数 25万台
◇交通整理している交差点 92
◇タクシーの数 4万台
◇ダッバーブの数 1.5万台
◇交差点の交通警官の数 1343人
◇交通警察のパトカー 15台
◇交通警察のバイク 45台
◇交通警察のトランシーバー 45台
◇1995-2006年の間の交通事故死者数 2398人
これを12年分とすれば、一年あたり約200人。1.5日に一人の交通事故死、ということになりますね。
ちなみにこの二つの記事は、イエメンタイムズの創始者故アブドルアジズ・サッカーフ博士の娘にして、現在イエメンタイムス編集長のナディア・サッカーフの署名記事です。
(さとかん)
イエメンはもう、ラマダン準備モードです。
今日は8月30日(木)(第1081号)の記事から。
●「ラマダンに向けて交通警官の投入」
→ラマダン中は、夜昼が逆転し、特に深夜に人々が買い物や社交に出かけるので例年事故も多くなります。これに備えて今年は1500人の新規交通警官を投入して交差点の交通整理をするらしいです。私のよく知っているイエメン人の運転手は「交通警官が交通整理をしている交差点は、渋滞する」と言っていますが・・・。
●「車輌は二年で二倍に増加」
→そして、一面ではないですが興味深い記事が載っていました(5面)。サナア市交通局長のヤヒヤ・シュバイル大佐によれば、サナア市内のナンバープレート年間発給数は1990年から2005年の間は3.5万から4万台で推移していたが、2005年から2006年末にかけて急増し、現在8万5千台を超えているということです。しかし、交通警官の数(1343名)は増えていないので、労働時間が延びることになります。しかも、交通警官の給料は月々2万リヤル(約100ドル)。これを補うために二年前に当時のバジャマル首相が、「交通違反の反則金の30%をボーナスとして取って良い」というおふれを出したそうです(これは汚職ではありません。違反摘発のインセンティブです)。この結果、反則金の徴収額は数十万リヤルから四百万リヤルに跳ね上がったそうです。しかし、これも交通警官一人あたりにすると、月に1000リヤルにしかならない計算。
当然、「賄賂」も発生します。交通警官の言い分は「例えばダッバーブ(乗り合いミニバス)に反則切符を切ると、ドライバーは1500リヤル払わなければならない。しかし、彼らはそんな金を払えないのでかわいそうだ。だから、われわれは2-300リヤルで、無罪放免してあげる」。
サナアの交通問題、なかなか奥が深いです。
また、興味深い統計も乗っています。
◇サナアの車両数 25万台
◇交通整理している交差点 92
◇タクシーの数 4万台
◇ダッバーブの数 1.5万台
◇交差点の交通警官の数 1343人
◇交通警察のパトカー 15台
◇交通警察のバイク 45台
◇交通警察のトランシーバー 45台
◇1995-2006年の間の交通事故死者数 2398人
これを12年分とすれば、一年あたり約200人。1.5日に一人の交通事故死、ということになりますね。
ちなみにこの二つの記事は、イエメンタイムズの創始者故アブドルアジズ・サッカーフ博士の娘にして、現在イエメンタイムス編集長のナディア・サッカーフの署名記事です。
(さとかん)
2007年9月7日金曜日
YemenTimes一面記事から(1079)
東京近辺は昨夜から今朝にかけて台風9号の影響で交通機関が混乱しましたが、皆様大丈夫でしたか。
さて、順番が前後してしまいますが,2007年8月23日(第1079号)付けの一面記事にはこんなのがあります。
●「治安当局者、ワイール少年の釈放を約束」
→これは、前号(8月20日・第1078号)で報道された記事に対応しています。それは北部ハッジャ州で40人の人が「ホーシー派」とのつながりを疑われて正規手続きなしに治安当局によって拘束されている、というものでした。その中にハッジャ州ミフタハ群の15歳の少年(ワイール)も含まれていました。サアダ近辺で国軍と緊張関係にある「ホーシー派」ですが、若い世代にもシンパを持っているということは事実のようです。今回は「地元のシェイク(部族長)が彼らの日常行動に責任を持つ」という条件で40人の内7名が釈放されることになったようです。
●「政府は小麦と小麦粉の価格を凍結:イエメン経済公社は先週全国に市場価格よりも安い価格で小麦と小麦粉を配給した」
→物価上昇はここのところイエメンの治安不安の一因となっています。今回は小麦と小麦粉を50キロ袋入り3700リヤル(約3700円)の固定価格で販売することにしたようです。市場の実勢価格は5500リヤルということです。今回はトラックが僻地まで行ってこの価格で販売するということのようです。しかしながら当然すべての地域に行けるわけもなく、どこにトラックが行くかもまた政治的な要因に左右されるので、本当の困窮者に届くかどうかは定かではありません。
(さとかん)
さて、順番が前後してしまいますが,2007年8月23日(第1079号)付けの一面記事にはこんなのがあります。
●「治安当局者、ワイール少年の釈放を約束」
→これは、前号(8月20日・第1078号)で報道された記事に対応しています。それは北部ハッジャ州で40人の人が「ホーシー派」とのつながりを疑われて正規手続きなしに治安当局によって拘束されている、というものでした。その中にハッジャ州ミフタハ群の15歳の少年(ワイール)も含まれていました。サアダ近辺で国軍と緊張関係にある「ホーシー派」ですが、若い世代にもシンパを持っているということは事実のようです。今回は「地元のシェイク(部族長)が彼らの日常行動に責任を持つ」という条件で40人の内7名が釈放されることになったようです。
●「政府は小麦と小麦粉の価格を凍結:イエメン経済公社は先週全国に市場価格よりも安い価格で小麦と小麦粉を配給した」
→物価上昇はここのところイエメンの治安不安の一因となっています。今回は小麦と小麦粉を50キロ袋入り3700リヤル(約3700円)の固定価格で販売することにしたようです。市場の実勢価格は5500リヤルということです。今回はトラックが僻地まで行ってこの価格で販売するということのようです。しかしながら当然すべての地域に行けるわけもなく、どこにトラックが行くかもまた政治的な要因に左右されるので、本当の困窮者に届くかどうかは定かではありません。
(さとかん)
2007年9月6日木曜日
2007年9月5日水曜日
Yemen Times 一面記事から(1080)
皆さんこんにちは。
今日は2007年8月27日(月)(第1080号)の一面記事です。
●「イエメンは、グアンタナモ監獄に収監中のイエメン人の解放をアメリカに要請中」
→9.11事件以後キューバにあるアメリカ軍の治外法権地域である「グアンタナモ監獄」には、多くの人がテロリストとして正規の手続きなしに収監されています。この中にもイエメン国籍の人が102人かいるというわけです。
もう一つの記事は
●「サナア市民、武器を放棄」
→これは、興味深い記事です。サナア市内は基本的に武器携行禁止なのですが、車のダッシュボードにみんなピストルを入れている人も少なくありません。夜10時以降は、交差点などで武器のチェックをしていますが昼間は全くノーチェックです。この武器携行禁止を本格化する、というのであればこれは歓迎すべきことです。記事には「9月1日までに武器をサナア市の治安当局に差し出さなければならない。現在までに当局は617丁の武器を押収した」とあります。さらに「許可証のある銃器も、サナア市内での携行が禁止される」とあります。本当に実現すれば、すばらしいのですが・・・・・。
(さとかん)
今日は2007年8月27日(月)(第1080号)の一面記事です。
●「イエメンは、グアンタナモ監獄に収監中のイエメン人の解放をアメリカに要請中」
→9.11事件以後キューバにあるアメリカ軍の治外法権地域である「グアンタナモ監獄」には、多くの人がテロリストとして正規の手続きなしに収監されています。この中にもイエメン国籍の人が102人かいるというわけです。
もう一つの記事は
●「サナア市民、武器を放棄」
→これは、興味深い記事です。サナア市内は基本的に武器携行禁止なのですが、車のダッシュボードにみんなピストルを入れている人も少なくありません。夜10時以降は、交差点などで武器のチェックをしていますが昼間は全くノーチェックです。この武器携行禁止を本格化する、というのであればこれは歓迎すべきことです。記事には「9月1日までに武器をサナア市の治安当局に差し出さなければならない。現在までに当局は617丁の武器を押収した」とあります。さらに「許可証のある銃器も、サナア市内での携行が禁止される」とあります。本当に実現すれば、すばらしいのですが・・・・・。
(さとかん)
2007年9月4日火曜日
Yemen Times 一面記事から(1078)
早速コメントありがとうございました。
では、引き続き 2007年8月20日(月)(第1078号)
●「サレハ大統領、ホーシー派に最後通牒:サレハ大統領は、サアダ周辺で騒乱を起こしているホーシー派のリーダーアブドルマリク・アルホーシーに対して、調停委員会の指示に従わないのであれば、軍事的に制圧する、と述べた」とあります。
→ホーシー派はイスラム保守主義勢力と位置づけられていますが、現在の開発に取り残された北部部族民の不満もある程度代表しているだけに、北部イエメン地域の人々も単なる「反乱軍」として見ているわけではなく、国軍の武力制圧で簡単に鎮圧できる問題ではないと思われます。
もう一つの記事は
●「サナア大学で学生と軍の衝突:19日にサナア大学商学部で、大学の入学選定プロセスが不公平であると抗議に集まった学生に対して軍が発砲、学生がけがをした」とあります。
→失業率の高いイエメンでは、大学に入ることはより良い仕事に就くための大切なステップです。この入学プロセスが、えこひいきなどによって歪められたりするのは人生に関わる大問題といえます。しかし、ただでさえ学生が多くてパンク気味のサナア大学、教育の質の維持も重要な問題です。
(さとかん)
では、引き続き 2007年8月20日(月)(第1078号)
●「サレハ大統領、ホーシー派に最後通牒:サレハ大統領は、サアダ周辺で騒乱を起こしているホーシー派のリーダーアブドルマリク・アルホーシーに対して、調停委員会の指示に従わないのであれば、軍事的に制圧する、と述べた」とあります。
→ホーシー派はイスラム保守主義勢力と位置づけられていますが、現在の開発に取り残された北部部族民の不満もある程度代表しているだけに、北部イエメン地域の人々も単なる「反乱軍」として見ているわけではなく、国軍の武力制圧で簡単に鎮圧できる問題ではないと思われます。
もう一つの記事は
●「サナア大学で学生と軍の衝突:19日にサナア大学商学部で、大学の入学選定プロセスが不公平であると抗議に集まった学生に対して軍が発砲、学生がけがをした」とあります。
→失業率の高いイエメンでは、大学に入ることはより良い仕事に就くための大切なステップです。この入学プロセスが、えこひいきなどによって歪められたりするのは人生に関わる大問題といえます。しかし、ただでさえ学生が多くてパンク気味のサナア大学、教育の質の維持も重要な問題です。
(さとかん)
2007年9月3日月曜日
Yemen Times 一面記事から(1077)
ようやく日本・イエメン友好協会のブログができたので、イエメン便りの一環として、現地の英字紙「Yemen Times」(毎週月、木発行)から、トピックを紹介していきたいと思います。
まずは、2007年8月16日(木)(第1077号)の一面にはこんな記事が載っています。
●「タイズで、生活改善を求めた座り込み:8月15日、タイズの州庁舎前に1万人以上の人が物価上昇などによる生活苦を訴えて座り込みをした。」
→庶民の生活苦は、世界中どこでも見られますが、イエメンも例外ではないということですね。写真には、ホブズ(アラブパン)をプラカード代わりにして「新しいイエメンを・より良い未来を」と書いて掲げている光景が写されています。ただ、こうした抗議行動は、おおむね平和裡に行われているところがまだ安心できるところですね。
その下には
●「軍隊とアルホーシー派との紛争継続。調停成功への期待」とあります。
→数年来北部サアダ近郊で国軍と抗争中の「アルホーシー派」。引き続き状況は膠着状態のようです。
(さとかん)
まずは、2007年8月16日(木)(第1077号)の一面にはこんな記事が載っています。
●「タイズで、生活改善を求めた座り込み:8月15日、タイズの州庁舎前に1万人以上の人が物価上昇などによる生活苦を訴えて座り込みをした。」
→庶民の生活苦は、世界中どこでも見られますが、イエメンも例外ではないということですね。写真には、ホブズ(アラブパン)をプラカード代わりにして「新しいイエメンを・より良い未来を」と書いて掲げている光景が写されています。ただ、こうした抗議行動は、おおむね平和裡に行われているところがまだ安心できるところですね。
その下には
●「軍隊とアルホーシー派との紛争継続。調停成功への期待」とあります。
→数年来北部サアダ近郊で国軍と抗争中の「アルホーシー派」。引き続き状況は膠着状態のようです。
(さとかん)
2007年9月1日土曜日
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