2007年9月10日月曜日

YemenTimes 一面記事から(1081)

今年もラマダン(断食月)が近づいています。9月13日からの予定です。
イエメンはもう、ラマダン準備モードです。
今日は8月30日(木)(第1081号)の記事から。
●「ラマダンに向けて交通警官の投入」
→ラマダン中は、夜昼が逆転し、特に深夜に人々が買い物や社交に出かけるので例年事故も多くなります。これに備えて今年は1500人の新規交通警官を投入して交差点の交通整理をするらしいです。私のよく知っているイエメン人の運転手は「交通警官が交通整理をしている交差点は、渋滞する」と言っていますが・・・。
●「車輌は二年で二倍に増加」
 →そして、一面ではないですが興味深い記事が載っていました(5面)。サナア市交通局長のヤヒヤ・シュバイル大佐によれば、サナア市内のナンバープレート年間発給数は1990年から2005年の間は3.5万から4万台で推移していたが、2005年から2006年末にかけて急増し、現在8万5千台を超えているということです。しかし、交通警官の数(1343名)は増えていないので、労働時間が延びることになります。しかも、交通警官の給料は月々2万リヤル(約100ドル)。これを補うために二年前に当時のバジャマル首相が、「交通違反の反則金の30%をボーナスとして取って良い」というおふれを出したそうです(これは汚職ではありません。違反摘発のインセンティブです)。この結果、反則金の徴収額は数十万リヤルから四百万リヤルに跳ね上がったそうです。しかし、これも交通警官一人あたりにすると、月に1000リヤルにしかならない計算。
 当然、「賄賂」も発生します。交通警官の言い分は「例えばダッバーブ(乗り合いミニバス)に反則切符を切ると、ドライバーは1500リヤル払わなければならない。しかし、彼らはそんな金を払えないのでかわいそうだ。だから、われわれは2-300リヤルで、無罪放免してあげる」。
 サナアの交通問題、なかなか奥が深いです。
 また、興味深い統計も乗っています。
◇サナアの車両数 25万台
◇交通整理している交差点 92
◇タクシーの数  4万台
◇ダッバーブの数 1.5万台
◇交差点の交通警官の数 1343人
◇交通警察のパトカー 15台
◇交通警察のバイク  45台
◇交通警察のトランシーバー 45台
◇1995-2006年の間の交通事故死者数 2398人
 これを12年分とすれば、一年あたり約200人。1.5日に一人の交通事故死、ということになりますね。

ちなみにこの二つの記事は、イエメンタイムズの創始者故アブドルアジズ・サッカーフ博士の娘にして、現在イエメンタイムス編集長のナディア・サッカーフの署名記事です。
(さとかん)

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